『輝光翼戦記 銀の刻のコロナ』感想


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タイトル 輝光翼戦記 銀の刻のコロナ外部サイトへリンクします。
ジャンル 絆のシミュレーションRPG
発売日 2011/12/16
輝光翼戦記 銀の刻のコロナ
評価点
74 / 100
最大瞬間風速 論説部(80/100)
総プレイ時間 35.7時間
主人公 8/10
お気に入り コロナ
ユーザビリティ 7/10 7/10
グラフィック 7/10 7/10
ムービー 7/10 7/10
主題歌 7/10 7/10
BGM 8/10 8/10
ストーリー 7/10 7/10
演出 7/10 7/10
感動 7/10 7/10
読後感 7/10 7/10

(評価点や作品に望むこと等については「レビューポリシー」をご参照ください。)


0. まずは一言
 『輝光翼戦記 天空のユミナ』の外伝とでも言うべき続編。前作が大好きだったユーザーであれば間違いなく楽しめると思います。ストーリーおよび戦闘パートはどちらも面白かったのですが、残念に感じた部分も多く繰り返し遊ぶほどではありませんでした。

 ……ところで、ベリダディア編はまだですか?
  • 前作プレイを推奨
     物語の中核に深く関わるため、前作をプレイしてから取りかかることを強く推奨します。
  • なんとなく失敗
     この作品は『STEINS;GATE』の直後にプレイしています。全く関係のなさそうなものを選んだはずでしたが、以外とそうでもなく「失敗した」感がありました。

Attention!!
この感想はゲームをクリアした人に向けて書かれています。
まだゲームをクリアしていない人が読むと、作品の面白さを損なうことがありますので、ご注意ください。

1. ゲームデザインについて
1.1. 熱中できたけど、いまひとつ物足りない戦闘システム
 5つの属性を導入してロールを廃止するなど、前作から戦闘システムを一新しました。プレイ当初は、敵のスキルと虹法結界を予め調べいろいろ考える事も多く、5つ属性の組み合わせの最適解を見つけることに四苦八苦していました。ところが、敵の属性色とオーダースキル属性がほぼイコールであることに気付き、3体の敵に弱点を突かれない事だけに絞ってパーティを選ぶだけにとどめると、スムーズにプレイできるようになりました。ダメージ効率を大きな矢印で示してくれるため、対戦キャラクターの配置を直感的に選び易くとても良かったです。

いくつかのチートスキルが……
 コロナが中盤以降で習得する「どらごにっく・ぶれす!!」や「龍魂解放」が最大のバランスブレイカーでした。虹法結界を無条件で突き破るのは、もはや戦闘システムを根本から否定しているに他なりません。これらを封印し、スキルの組み合わせを熟考した戦略性の高いプレイも、十分に可能ではあります。しかし、彼女のスキルを使わない積極的な理由(特典)もないため、通常戦闘ではリアクションスキルを回復以外使わず、ボスモンスターでMPを一気に解放することが常套手段となってしまいました。

ターン制限が欲しい
 時間をかけてフィールドスキルで立て直しを図ったり、MPを貯めて強力なスキルで一掃したりすれば誰でもクリアできてしまうところが、かなり勿体なく感じました。19ある戦闘マップの中で、ターン制限が設定されたフィールドは彗星騒ぎの『天空からの災厄』のみでした。単純に12ターンの時間制限を課すだけではなく、
  • プレイヤーユニットを移動させないとマップの続きが表示されない(索敵マップ)
  • ボスモンスターの配置も分からず、実は2体いる。
といった状況は純粋に面白く、最も緊張感を持ってプレイできたマップでした。

 (多くのユーザーに遊んでもらうため、)難易度の観点からは多くのマップにターン制限を設けるのは望ましくないのかもしれません。しかしながら、せめて『永遠のアセリア』の頃のようなクリアランクやターンボーナスを実装して欲しかったと思います。

結局のところ……
 新しいものを作ることは大変素晴らしいのですが、残念ながら戦闘パートは『ユミナ』を超えることは出来ませんでした。このルールが決してつまらないわけではありませんが、敵味方でオーディエンスを共有するシステムがあまりにも素晴らしかったため、一段落ちる印象が強く残りました。
  • スムーズ
     戦闘アニメーションをOFFにすると、さらにサクサク遊べます。
  • バランスブレイカー
     統果の「死角封じ」を組み合わせると、さらに酷いことになります。
  • 無条件で突き破る
     対魔人戦は、SLGパートでは楽勝だったにもかかわらずADVパートでボコボコにやられていたため、どうも齟齬が大きかったです。また、分隊を組んで真夜を制圧する場面でも不一致があったり、竜一救出や一般人避難誘導といったSLGにしないと勿体ない場面があったりなど、作り込みに甘さが感じられる場面もありました。
  • リアクションスキル
     自動発動となってしまったサポートスキル。ブラスト系スキルは「真・ラストバトル」が唯一の使い道だったように思います。
  • 彗星騒ぎ
     世界の統合と滅びの龍という設定に反するように思われます。
  • 12ターンの時間制限
     敗北条件が「12ターン経過」であるならば、12ターン目の敵行動フェイズ終了時点で敗北判定をするべきですよね。まさか、12ターン目のプレイヤーフェイズ開始時点でゲームオーバーになるとは思っていませんでした。(なんとなく、そんな気はして11ターン目開始時点でセーブは取っておきましたが)
  • 難易度
     レベルアップ時にLPまで含めて全回復することが悪いとは言いませんが、強行突破を助長させていますね。
  • クリアランク
     自ら目標を設定して最小ターン数クリアを目指せばいいのかもしれませんが、やはり実績として残るものがいいですよね。
1.2. 1周目でおなかいっぱいと言うよりも……
 エンディングを向かえると、クリアデータを引き継いでブーストモードが遊べるようになります。しかしながら、敵ユニットのレベルが上がるだけで、エクストラステージのような追加要素もスコアアタックもありません。ほぼ一本道であり、1周目のプレイで全てのイベントを通過しているため、やるべき事もなくこれ以上遊ぶ意欲が沸きませんでした。
1.3. まさか「灰かぶり姫じゃなくても」が聴けるとは
 前作では戦闘BGMに良曲が多数あったように、その長所は今作でも健在でした。また、ユミナの歌がフィールドスキルとして実装されたため、「灰かぶり姫じゃなくても」など数曲がBGMとして流れ、とても懐かしかったです。新曲の「ワンダートキメキ☆システム」も良い曲でした。
1.4. 素晴らしいSD絵に魅了され
 前作に引き続き、こもわた遙華氏の描くSD絵が、この作品をいっそう魅力あるものにしていました。SD絵が激しく動く戦闘シーンはカメラワークを含めてとても素晴らしかったです。一方で、通常グラフィックについてはもう少し頑張って欲しいところです。表情差分を会話ウィンドウだけではなく、立ち絵自体にも適用することを切望いたします。なお、今回もCGモードでイベント絵ごとにショートメッセージが聞けるのは嬉しいですね。
  • 通常グラフィック
     ノートパソコンのみがずらりと並ぶ階段教室は違和感しかありませんでした。せめて、モブの人物を書いてください。

2. ストーリーおよびキャラクターについて
2.1. 絆を信じる物語
 ループを繰り返すなかで徐々に真夜や能力といった秘密が明らかになっていくのは純粋に楽しかったです。また単純なループではなく、コロナの力が拡散したことで様々な変化が起きるところも面白かったです。世界が滅ぶ危機でありながら、綺麗事が不愉快にならない緩さを持ったよいお話でした。あえて苦言を呈するならば、恋愛方面でもご都合主義が過ぎたことでしょうか。
どうして好きになったのか分からない
(C) WillPlus
(C) WillPlus
 恋愛もとい好きになるきっかけの描写が極端に弱く、えっちシーンへの導入もきわめて唐突でした。サブヒロインについては、いち早くイベントが発生する兵藤かなめの時点で諦めればいいのでしょう。たとえそうだとしても、メインヒロインについてはもっと描いて欲しかったです。特に、コロナがどうしてあれほどにまで統果や刻乃に懐いていたかについては、刷り込み以上のものが提示されず残念でした。
  • 様々な変化が起きる
     ループごとの差異が大きく、敵が初めから強くなる理由も特に言及はされません。おそらくは、力の拡散だけではなく、真夜を発生させていたバルガがコロナ側の強さに合わせていた点も大きいのでしょう。
  • 唐突
     エピローグでもこれか……、と愕然しました。
  • 兵藤かなめ
     学園祭ではコスプレ喫茶に巻き込まれていました。あの格好で街を歩いていればいつか一般人に遭遇するだろうと思っていましたが、きちんとフラグを回収してくれたようです。 
  • 諦めればいい
     即告白、即えっち、即エンディングという3コンボ。ループでなかったことにする潔さはむしろ称賛すべきレベルでした。 
2.2. 主要キャラクターについていろいろと
小田桐統果
 厨二病抜けきらない本作の主人公。友達がいない自虐ネタを繰り広げたり、ヒロイン達(主にミュリアル)に事実をねじ曲げられ必死にツッコミを入れたりする日常は、過不及なく楽しむことが出来ました。

 彼については仲間のことを真剣に考える優しさや、1人の女性を愛するべきという信条にかなり好感を持っていました。ところが、最終ループでまさかのハーレムエンドを迎え、少なからず心にわだかまりが残ります。彼の異性からの好かれ具合は、何が「友達が少ない」だよと言いたくなるレベルです。

 なお、彼が前世の記憶を僅かながら夢として引き継いでいることについては、もう少し説明して欲しかったように思います。彼も「見切り」など多くのチートスキルを有しているのですから、きっと何かあるのでしょう。
  • 厨二病
     英雄を諦めたくなかった人物はもう1人いました。紫苑が「英雄を諦めるに足る理由を、ようやく聞けたような気がしてね」と笑う場面はそれなりにお気に入りです。彼が皆のダメージを「肩代わり」して消えるエピソードはいい場面でした。
  • 抜けきらない
     魔刃を名乗ってみたり、間違ったカッコ良さ(?)を提唱したりなど。
  • ハーレムエンド
     続編を書くにしても苦労するような気がいたします。
  • 友達
     広川と仁はとってもいい友達ですね。
  • チートスキル
     物語上は1番弱いとされる彼ですが、実際は最強のように思えます。中盤以降はシェアリングを使わない方が強いです。
天津刻乃
(C) WillPlus
(C) WillPlus
 誰にも知れず1人で滅びの刻をループしていた刻乃。統果を助けた翌日に教室へ迎えに来たときの落胆ぶりなど、彼女の心情を想像すると心に来るものがあります。急に統果を龍護寺に迎えたり彼のことを好きになったりするのも、彼女にとっては短い時間ではなかったからでした。彼の前では顔を赤く染める刻乃が可愛かったですね。
  • 落胆
     時人の因子を活性化した上でのループも、すぐに思い出すわけではなくワンステップあったのは良かったですね。
  • 彼女の心情
     サブヒロインとの結ばれたルートやコロナの全ての死を覚えていると思うと辛いです……。
  • 龍護寺
     龍人から皆を護るための寺が、龍人(コロナ)を魔人から護るための寺になりました。その名を付けた人もこうなるとは思っていなかったことでしょう。
  • 短い時間
     だからこそ、全ヒロインに恋愛描写がない物語を残念に感じるのです。
コロナ
(C) WillPlus
(C) WillPlus
 シュタッと笑顔で手を挙げたり、「みゃ~」と鳴いたりするコロナがとても可愛かったです。その割には、龍人ということで虹法結界を問答無用で破壊し尽くすとんでもないキャラクターでした。そんなコロナが大好きだったため、龍の力が拡散して大人しくなってしまう彼女には、早く元気になって欲しい気持ちでいっぱいでした。

 本作は「絆のシミュレーション」と銘打っているように、コロナが統果や刻乃達との絆を深めて正しく育つことにより、世界の滅びは回避されるというお話でした。第2ループにて、世界がこれ以上魔人に襲われないようにするために自殺してしまうエピソードは、(やや稚拙な趣はありますが)一気に悲しみに襲われましたね。早期から学園に通い諦めていた学園祭にも参加するように、ループごとに一歩ずつ学園生活(情操教育?)も進んでいたのは楽しかったです。
  • 絆のシミュレーション
     残念ながらSLGパートとしては、統果のシェアリング以上のものは特に反映されていません。『永遠のアセリア』のように好感度上昇に戦闘がパーティ編成に関係するようなシステムであれば良かったのですが……。
ミュリアル
(C) WillPlus
(C) WillPlus
 自称ただの恋する乙女こと、6人の子育てに失敗したミュリアル。7人目の龍人であるコロナを抱えて、好きだった人の生まれ変わりである統果の元にやって来ました。彼女の自由さ、あるいは場の空気をわざと破壊尽くす様は凄まじかったですね。自堕落な生活を送っていた彼女が、コロナの暴走に備えであることを隠しつつ教師として赴任するなど、意外な場面もありました。
  • 場の空気をわざと破壊尽くす様
     元レイディアントであるため積極的な干渉は出来かったのかも知れませんが、あまり好意的には受け止められませんでした。
論説部のみなさん
 残念な弓那、おふざけの藍、必死にツッコム歩武、苛立つ雲母……。いちいち漫才を挟み、まったくお話が進まない論説部のみなさんは前作そのままですね。まさに、ここといったタイミングで登場し、物語終盤を見事に盛り上げてくれました。むしろ、『コロナ』というよりも『ユミナ 外伝』といって差し支えがないくらいの活躍でした。前作の世界観を理解していないと「わけがわからないよ」となる場面も散見されましたが、おおむね上手く接続していたと思います。
  • 論説部
     戦闘でも宇宙を救った彼女たちの強さがよく発揮されていました。
  • 前作の世界観
     本作をプレイしたのは『輝光翼戦記 天空のユミナFD』をプレイしてから2年以上経過しており、「天空体」「レイディアント」「輝光翼」など重要なことをかなり忘れかけている状態でした。

3.1. 心にとどめておきたい言葉

人間、生きていれば何度も嫌なことに出会うもんだ。
俺にできるのは、自分が嫌だと感じたことを、
せめて他の人にしないくらいだ
小田桐 統果

世の中に、仕方のない事なんて何一つない。
諦めたやつが、自分に言い訳するために仕方はなかったことにするんだ
小田桐 統果

みんなが幸せなら、ご都合主義でいいんだ。
後はそのために何をするかってことでな
小田桐 統果

3.2. 関連項目
  1. 外部記事

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Last updated: 2012-10-27
First created: 2012-10-13