『忘れものと落とし物』感想


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ジャンル アドベンチャー
発売日 2005/12/25
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評価点
66 / 100
最大瞬間風速 (80/100)
総プレイ時間 3.9時間
主人公 6/10
お気に入り -
ユーザビリティ 5/10 5/10
グラフィック 5/10 5/10
ムービー -
主題歌 -
BGM 5/10 5/10
ストーリー 6/10 6/10
演出 7/10 7/10
感動 6/10 6/10
読後感 7/10 7/10

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0. まずは一言
 日記とノベルパートを交互に読み進めていく形式が印象的なサウンドノベル。物語の表面的な面白さよりも、叙述トリックを用いた構成がとても魅力的でした。読者に答えを予想させておいてその上を行く結末には、途中で喚声をあげたくなります。ただし、UI(user interface)やストーリーおよび演出上の都合から文章が読みにくい部分もあり、楽しみが半減してしまったことが非常に勿体なかったと思います。加えて、唐突な性表現も意味があるとはいえ少し苦手でした。

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1.1. 文章の読みにくさ
 本作にはキャラクターの絵がないため、テキストの表示方法において見せ方をより工夫していました。所々にフォントや色の変化でアクセントをつけており、特に画面上部で話しかけるシーンにはとても感銘を受けました。しかしながら、文章へのウェイトはやや濫用しすぎた感があり、終盤は素早く読み進められないことを煩わしく感じる場面も多かったです。このような演出は最重要の場面のみ使うべきだと改めて感じました。

 また、本作では一般に言うバックログが存在せず、テキストを振り返り方がとても特殊です。登場人物に代名詞(彼女等)が多く分かりにくいため、自由に読み直せることが必須だったと思います。
1.2. 作者の掌上で踊らされる
 4月7日から10日までの間に彼女とその姉は、解離性同一性障害(DID:Dissociative Identity Disorder)の同一人物であることに察しが付きます。物語はそのままエンディングを迎え、よく分からないお話にすっかり落胆していました。ところが、そこで急に第二部が始まり、ゲームセンターに主人公(僕)が来ていないことが分かると、その衝撃の大きさに喚声をあげてしまいました。そして、彼女ではなく視点者の方がDIDだったということにすっかり騙されることとなりました。その後、再読や考察が必要ないほどボク(彼此)から解説を受けますが、長さはともかく、物語を振り返りながら説明がつくので良かったと思います。

 また、読者を彼女CことISH(Inner Self-Helper)として(1997年の時点で)登場させたのはとても興味深い事です。インストーラーのフォルダ名が「myself」というのも、この時点でゲームが始まっている伏線だったとプレイ後に気付いて面白いですね。
1.3. 忘れ物と、落し物
 7年間忘れていた明日香のシャープペンシルと、それをゲームセンターの落し物と認識した主人公。4月30日のノートへの書き込みにより持ち主が見つかったことが、とある8月14日に明らかになります。明日香との再会が妄想でないならば、不器用な明日香と大人ぶった僕の物語が続くことを願います。

 ところで、インストールフォルダには原作のhtml版が同梱されています。こちらでは、

貴方にさしあげます。 大事に使ってくださいね。
明日香

というノートへの返信書込みで物語は幕を閉じていました。こちらの方は未来が決まってしまうとはいえ、より綺麗な余韻に包まれて物語を終えることが出来たのではないかと思います。


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Last updated: 2012-07-04
First created: 2012-04-03