『Memories Off for Windows』感想
(『Memories Off Duet ~1st & 2nd stories~』)


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ジャンル 恋愛アドベンチャー
発売日 2001/03/16
Memories Off Duet ~1st & 2nd stories~
評価点
71 / 100
最大瞬間風速 みなも(80/100)
総プレイ時間 19.8時間
主人公 4/10
お気に入り 伊吹 みなも
ユーザビリティ 6/10 6/10
グラフィック 6/10 6/10
ムービー 6/10 6/10
主題歌 8/10 8/10
BGM 7/10 7/10
ストーリー 7/10 7/10
演出 6/10 6/10
感動 7/10 7/10
読後感 7/10 7/10

(評価点や作品に望むこと等については「レビューポリシー」をご参照ください。)


0. まずは一言
 辛い想いを抱える少年少女が、新しい「かけがえのない想い」を見つけるまでの純愛物語。いつまでも心に残しておきたい大切な想い。でも、もしそれが苦しみとなってしまうのなら、……そっと忘れることも必要なのかもしれません。

Attention!!
この感想はゲームをクリアした人に向けて書かれています。
まだゲームをクリアしていない人が読むと、作品の面白さを損なうことがありますので、ご注意ください。

1.1. 過去の想いと今の笑顔と
 大切な人との別れを抱えた少年少女が、学園生活の中で新しい「かけがえのない想い」を見つけるまでの純愛物語です。3年前の回想(夢)を挟み幼馴染みたちを取り巻く環境を徐々に明かしながら、ある種の3角関係を展開していくストーリーは面白かったです。ただ、その物語を楽しむには大きな壁が1つありました。
  • 学園生活
     10月から11月にかけての2ヶ月間に体育祭や学園祭といった特有のイベントはなく、平凡な日常を切り出したものでした。
  • ある種の3角関係
     彩花と、彼女を死なせてしまった自責の念が強い主人公と、ヒロインの3角関係。彩花に対する想いは唯笑シナリオのみ比較的強く描かれます。これは相手が唯笑だからこそのものだと思いますので、これで良かったと思います。
1.2. 智ちゃんが嫌いです
 本作の主人公こと智ちゃんですが、どうも好きになれません。自らの非を認めず言い訳を繰り返すただの高校生であれば、これほど不満にも思わなかったでしょう。しかしながら、彼は失意のうちにこのような性格になったわけでもなく、悪気がありながら倫理観に欠けた行動を取っています。それ故に、彼が優しいと形容されるたびに首を傾げざるを得ませんでした。主人公がもう少し好意的な人物であれば、彼女たちの物語により共感できたと思うだけに残念でありません。
  • 失意
     どことなく暗い雰囲気が漂う日常。学校の正門を描いた背景は朝にもかかわらず若干暗く、屋上からも青空は見えません。
  • 倫理観に欠けた行動
     たとえば、10月11日に他人のバイクで汚れた手を拭くなど。
  • 優しい
     彩花の事故死に責任を感じてしまうあたり本当に優しいのかもしれませんが、彼の悪ふざけは許容できるものではありませんでした。

2. 個別シナリオやヒロインについて
 主人公に似た悩みを抱えるヒロインたちは、(彼に親近感を感じ)自然と惹かれていきます。彼女たちと過ごす中で彼が見つけた「かけがえのない想い」は、彩花への思いに整理をつけさせました。
  • かけがえのない想い
     副題は「かけがえのない想い……見つけた」
2.1. 今坂唯笑(7/10)/ 雨上がりに微笑む幼馴染み
 ニンニンネコピョンをプイプイしてしまう、かなり純真な唯笑ちゃん。カメ吉の嘘をあっさり信じるなど騙されやすい彼女ですが、主人公に元気づけるためにあえてねじの外れた言動をしている節も見られます。そんな彼女は、常に智ちゃんを傍で見守り続けてきました。

 離ればなれになっても、心の中ではずっと一緒でいることを誓った幼馴染み。唯笑は智ちゃんの心から自分が消え、もう一緒にいる資格が無いと嘆いていました。一方で智也は、唯笑を想うからこそ彩花を忘れてしまうことに怯えていました。前半部で描かれた一見何気ない日常が本線に深く関わってくるなど、人物関係やイベントの配置がとても巧かったように思います。3年ぶりに止んだ長き雨。涙を拭いて、これからも3人でずっと一緒に。
  • あえて
     他ヒロインのルートにて特に感じます。しかしながら、1ヒロイン1ライター制のため、どこまで重ね合わせていいものか悩みます。
  • 一見何気ない日常
     字の汚さとワープロ、ニンネコなど。 
  • 人物関係
     信君が手紙(「雨はいつあがる?」)を出したことを明かし、事故を目撃していたと語るTrueルートの方がプロットとしては好きです。ただ、物語がより自然なのはgoodルートの方だと思われます。それにしても信君は面白い上に良い人です。 
2.2. 双海詞音(7/10)/ 心を閉ざした帰国子女
 時折見せる素の表情がとても可愛かった詞音。彼女に萌え悶える場面も時折あったものの、過去の呪縛からかけがえのない想いへの転換についてはもう一押しステップ)欲しかったと思います。なお、彼女の人を寄せ付けない敬語の使い方は、(自身の経験と照らし合わせて)少し懐かしく思うところがありました。
  • かけがえのない想いへの転換
     『不思議の王国フォース』を引き合いに語られる智也の幸福にする「力」ですが、前半の彼の悪行がなければ、素直に賛同してかもしれません。 
  • ステップ
     詞音が使っているシャンプーと信を交通事故から救ったお姉さんの話題は、絶対に彩花の件に関わってくると思っていたのですが、思い過ごしだったようです。 
2.3. 音羽かおる(6/10)/ 偽りの笑顔を見せる転校生
 屋上からの景色を眺め物思いに耽るかおる。そんな過去に囚われている彼女は智也と似たもの同士であり、その点からも少し期待していました。しかしながら、作られた笑顔の理由説明があまりにもあっさりしていて、もっと丁寧に積み上げていった方が良かったと思います。このシナリオではむしろ、かおるに惹かれていく智ちゃんに対する唯笑の心情表現 の方が魅力的でした。
  • 似たもの同士
     さらに、恋人の面影を重ねる(求める)ところまで同じなのです。
  • その点からも
     単純にCV:ゆかりんというだけで期待値が高く設定されていただけとも言います。彼女に「名前で呼んで?」なんて言われると、なのはちゃんを思い出しますね。
2.4. 霧島小夜美(6/10)/ 家庭的なお姉さん
 自称ビューリホー女子大生の小夜美さん。……ええ、それくらいしかコメントすることがないのです。小夜美さんを特に好きになれなかったですし、何より智也が彼女に心を移す理由もわかりませんでした。もっとも、彼の心を占める割合の変化は、かおるシナリオ(における唯笑の関わり)の方が面白いので、このお話は可も不可もなく終わってしまいました。
2.5. 伊吹みなも(8/10)/ スケッチとアイス好きの病弱少女
 とても可愛かったみなもちゃん。智也を次々に肯定解釈していく拠り所にもなった人物相関の設定には、感心しつつもいくらか不自然な点があるのは否めない気もします。しかしながら、秋という季節を見事に取り入れたオチバミから繋がる終幕の情景はとても綺麗でした。……最後にはきっと笑って、そしてこれからも
  • 感心
     智也の存在や唯一のドナー適合者であった彩花の死の理由まですべてを知っていたみなも。
  • いくらか不自然な点
     彩花の従姉妹であれば智也が過去に会っていない方が不自然に感じられるのです。ちなみに、彩花とみなもの声や話し方(声の裏返り?)のイメージが少しにているように感じたのは勘違いですよね。
  • オチバミ
     秋らしいイベントが取り入れられた唯一の場面。他は唯笑のテーマ「Each and every heart」が少し秋をイメージさせるくらいでしょうか。
  • 終幕の情景
     彩花の従姉妹かつ唯笑の親友というポジションとしてしかるべきレベルでした。本来は次点であるべきなのかもしれませんが、このシナリオが1番良かったです。たた、彩花への想いの解消という観点(テーマ性)からは賛否両論あるかもしれません。
  • これからも
     みなもちゃんは想いを果たして笑って逝けたと信じます。そして、智也は2人分の想いを抱えながらも、それに囚われることなく前に進むことを願います。
2.6. 桧月彩花 / Memories Off
 可愛い話し方()に特徴のある才色兼備の彩花。あのソフトパッケージの羽はそういう意味だったのかと、プレイ中に驚かされました。ヒロインたちとの「かけがえのない想い」によって、彼女のことを忘れてしまっても良いのか。そんな主人公の弱さ(優しさ)と想いのせめぎ合いが本作のテーマでした。それに対する答えを示したエンディングテーマはとても心に響きます。

もしわたしがいなくなっても
思い出すことを思い出してね
忘れることも忘れないでね
エンディングテーマ:This may be the last time we can meet

メモリーズオフ。素晴らしい思い出はそっと心の宝箱にしまって、前を向いて歩んでいけるといいですね。

  •  慣れれば話し方はそれなりに好きなのですが、CVとしては非常にミスマッチだったように思います。
  • 才色兼備の彩花
     彩花のテーマである「Eternity」が好き。また、彼女が斜め前を見て口を閉じたまま微笑んでいる立ち絵はもう少し何とかならなかったのでしょうか。ついでに言えば、みなもちゃんの鉛筆の持ち方も……。

3.1. 心にとどめておきたい言葉

思っただけでその通りになるんだったら、誰も苦労なんかしないもん
想っただけで……その通りになるんだったら……
今坂 唯笑

3.2. 関連項目
  1. 関連作品の感想
  2. 外部記事

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Last updated: 2012-07-07
First created: 2012-06-30