『峰深き瀬にたゆたう唄』感想

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タイトル 峰深き瀬にたゆたう唄外部サイトへリンクします。
ジャンル 純愛系ファンタジーRPG
発売日 2006/08/25
峰深き瀬にたゆたう唄
評価点
74 / 100
最大瞬間風速 -
総プレイ時間 77.0時間
主人公 5/10
お気に入り ミュリ
ユーザビリティ 7/10 7/10
グラフィック 7/10 7/10
ムービー 7/10 7/10
主題歌 7/10 7/10
BGM 7/10 7/10
ストーリー 6/10 6/10
演出 7/10 7/10
感動 7/10 7/10
読後感 7/10 7/10

(評価点や作品に望むこと等については「レビューポリシー」をご参照ください。)


0. まずは一言

サクサクと軽快に進むダンジョン探索の爽快さにより、一本調子な展開にも飽きず最後まで楽しむことが出来ました。

  • 感想の前に

    過去シリーズをプレイしたことがないため、以下の感想はそれらとの設定共有を知らない状態で書かれています。


Attention!!

この感想はゲームをクリアした人に向けて書かれています。
まだゲームをクリアしていない人が読むと、作品の面白さを損なうことがありますので、ご注意ください。

1. 作品全体について(ネタバレ小)

1.1. ダンジョン探索がそれなりに楽しい

過去シリーズから連なるファンタジーの世界観

物語の舞台となるディル=リフィーナ(二つの回廊の終わり)という架空世界は、ファンタジーものによくある典型的な剣と魔法の世界です。主人公を含む大半の人物は人間族ですが、ファンタジーで定番のエルフやドワーフ、獣人など様々な種族が登場します。過去シリーズから続く世界観はとても大きいものの、本作での行動範囲は辺境の街・エテとその下に拡がる迷宮・歪みの主根に限られます。

爽快さと程良い緊張感を兼ね備えたダンジョン探索

このような1つの街に1つのダンジョンといった箱庭的RPGは、迷宮探索と街でのサブイベントとの往復となり、シナリオがよほど面白くない限りその単調さに飽きてしまうモノです。本作では、街パートはそれほどでもありませんが、サクサクと軽快に進むダンジョン探索の爽快さにより、一本調子な展開にも飽きず、最後まで楽しむことが出来ました。

迷宮探索は、気持ちよいくらい上がるパーティメンバーのレベル、役割分担の成された1対多形式の戦闘、21時までという時間制限など、爽快さと程良い緊張感を兼ね備えていました。RPGパートに熱中している間は時間を忘れてプレイすることが出来ました。ゲーム序盤(3章程度)にて上手くやれば主人公とヒロインの最強武器まで合成できてしまうアイテム合成・調合も面白かったです。

ダンジョンのランダム生成を活かせていない

よくできた迷宮ですが、決して難点がないわけではありません。ランダムフロアは時間制限もあることから基本的に駆け抜けるだけであり、次の固定層にたどり着いた後は基本的に2度と来ることがありません。

また、ボスキャラクターがそれほど強くないというのはやや致命的です。初回プレイはNORMALで遊ぶものだと思いますが、それほど苦労もせずにクリアできてしまいます。2周目隠しボスにしてもミュリの最強絵札を行使するだけで倒せてしまうのは面白みに欠けます。

  • 役割分担

    盗み担当のフィーノ、回復役のセフィリア、遠距離魔法のミュリ、囲まれたときのクロエ、広域範囲攻撃のフォーチュラ。……主人公がいまいちぱっとしませんね。

  • 1対多形式の戦闘

    隊を組む意味を考えれば5人全員同時に動かせるようにするべきなのですが、操作回数が増え返って煩わしいモノとなっていたでしょう。

  • 時間制限

    この時間制限を超えて装備品以外のアイテムを失うことは実質ゲームオーバーに等しいです。次の固定層にたどり着くまでに時間が危ういときは、セフィリアで大人しく前の固定層まで撤退することもしばしばでした。

  • 爽快さ

    できれば、ダメージを999でカウンターストップしないで4桁目に突入して欲しかったです。

  • 最強武器

    強い武器は修理代(維持費)が掛かるため、ゲーム序盤は扱いにくくなっているなど、バランスはよく考えられていました。

  • アイテム合成・調合

    ほとんどのアイテムはダンジョンで拾えてしまいます。全員分アクセサリーまで最強装備を揃えようとするのでなければ、むりにルールを研究しなくても問題はありません。

  • 難点

    他にも、下層に進むごとに新しい迷宮の仕掛けが登場するわけではないこともマイナスとしてあげられます。

  • 苦労

    終盤のボスキャラクターが持っているスキル「反射」はある種のチートアビリティ(理不尽)ですが、これくらいはないと楽しめません。

  • 2周目

    婚約相手の選択と隠しボスしか2周目をプレイする理由がないため、あまり繰り返しプレイには向いていない仕様です。

  • 隠しボス

    レベル600のミュリがエウ娘召喚の絵札を使用するだけで倒せてしまう魔人アラストール(Expert)の弱いこと弱いこと。隠しボスならば、レベル999でも苦労するようなのを1体置いておいて欲しいというのは我が儘でしょうか。

1.2. 好みが分かれそうな角のある絵、盛り上がる迷宮BGM

どことなく堅さを感じるキャラクター絵は、可愛いというよりは綺麗に描かれていました。柔らかいプニ線を持った絵が好きな人にとっては、その表情に若干戸惑いがあるかもしれません。一方で、ヒロイン達の体付き(大っきな胸や太もも)はとてもたわやかであり、その点では満足できると思います。

ゲームの中心となる迷宮探索のBGMには良い曲がいくらかありました。初回のダンジョンなどでかかる「異界守よ迷宮を護れ!」や、緊迫感を演出する「歪みの懐」がお気に入りです。

  • 迷宮探索のBGM

    ヴォーカル曲についてはあまり印象に残っていません。ただ、タイトルに「唄」を冠する作品としては、エンディングテーマがなかったことが少し寂しく感じます。再びオープニング曲を主題歌として流すだけでも印象は違ったと思いました。

1.3. プログラミング賞を獲得しただけのことはあるが……

ダンジョン探索から戦闘まで、マウスで直接的かつ直感的に操作できました。その快適さは、美少女ゲームアワード2006にてプログラム賞を獲得しただけのことはあると思います。しかしながら、2周目をスムーズにプレイするためには、以下の事項については改善を望みたいところです。

  • 攻撃アニメーションや画面切り替えのウェイトをオフにしても、攻撃がヒットするまでのウェイトや、ダメージ表示およびHPゲージの処理が省略できない。
  • お金が心許ない序盤と違って、手持ちの武器を一括修理できるコマンドが必要。
  • 改善を望みたい

    1番の問題は、アイテムの耐久度、レベル、熟練度を切り替えることが煩わしかったことですが、情報を表示できるスペースを考慮すれば妥協せざるを得ないところです。


2. ストーリーおよびキャラクターについて(ネタバレ大)

2.1. 動機付けには少し弱い

シナリオにはさほど魅力を感じませんでした。迷宮の秘密や影から支配している真の敵などいくつか要素はあります。しかしながら、基本的には、とにかく誰も見たことにない最深部のお宝を目指すだけですので、どうもクリアしてから印象に残りにくい話でした。箱庭RPGで劇的な話を作るのはやはり難しいのでしょう。いくらか分かりにくい物語ではありましたが、四季の変化や婚約などもありましたし、ラスボスの展開には驚かされましたので、それほど悪くはなかったかなと最後には思いました。

  • 迷宮の秘密

    その後の成長を期待して名付けられた歪みの主根

  • 分かりにくい物語

    女神ヴァシーナが1人で問題を抱えて暴走してしまったお話。迷宮を400年間維持してきたヴァシーナは、セフィリアの脅威なる素質に恐れ幸運のミュリを呼び寄せます。その反対作用として魔人アラストールが召喚されたというもの。

  • 婚約

    ヒロインとの生活が楽しかったですね。閨の大切さをルティーナ先生が教えるように、そういうシーンばかりでしたけれども。

2.2. 主人公が嫌いです

今作における主人公のフィーノ少年ですが、どうも好きになれません。迷宮の最深部にあるお宝を目指すと豪語する割には、剣の修行をするわけでもなく悪戯ばかり。実年齢以上に精神年齢は低いようです。この主人公が女性に好かれることに納得などできません。

しかしながら、人間族と魔族(魔物)を先入観のみで不当に差別しない点だけは評価できます。主人公が周囲の人物に諭されながら精神的に成長を見せてくれるので、なんとかこの主人公に慣れることが出来ました。

  • 精神的に成長

    最終章での察しの良さは異常です。12章の自分勝手さは何処へ行ったのでしょう。

2.3. 純愛系とは、陵辱要素がないことを意味するらしい

えっちを重視した作品において貞淑さを求めるのは本末転倒ですが、この街の倫理観はどうなっているのか気になってしまうほど性に大らかです。主人公の前で平然と裸になって温泉に浸かるだけに留まらず、些細なお礼や揶揄いで何かと体を開く展開に持っていきます。ここまで自然に描くということは、この世界では不自然ではないのでしょう。なお、ヒロインと婚約してからは貞操義務に配慮した選択肢が選べますが、特にシナリオ分岐もないのであまり意味はありません。

  • 平然と

    主人公に年代が近い数少ないヒロイン達の中ではセフィリアはかなり恥じらいを感じているように思いますが、ミュリは全く感じていないようです。お姉様方は言わずもがな。

  • 何かと体を開く展開

    精神戦や性儀式などある種のお約束はともかく、初任務達成のお礼というのはちょっと……。迷宮内のえっちシーンでも、他のパーティメンバーは周囲を探索(警護)に出かける辺りさすがです。

  • 貞操義務

    結婚しているお姉さん方も多いのですが、この街の住人はほとんど気にしていないようです。



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Last updated: 2013-04-13
First created: 2013-04-06