『Tears to Tiara ~ティアーズ・トゥ・ティアラ~』感想

ブランド Leaf外部サイトへリンクします。
タイトル Tears to Tiara ~ティアーズ・トゥ・ティアラ~外部サイトへリンクします。
ジャンル アドベンチャー+シミュレーションRPG
発売日 2005/04/28
Tears to Tiara ~ティアーズ・トゥ・ティアラ~
評価点
79 / 100
最大瞬間風速 -
総プレイ時間 34.0時間
主人公 7/10
お気に入り リアンノン
ユーザビリティ 7/10 7/10
グラフィック 7/10 7/10
ムービー 7/10 7/10
主題歌 7/10 7/10
BGM 7/10 7/10
ストーリー 8/10 8/10
演出 7/10 7/10
感動 7/10 7/10
読後感 7/10 7/10

(評価点や作品に望むこと等については「レビューポリシー」をご参照ください。)


0. まずは一言

中盤におけるストーリーの盛り上がりとハーフリアルタイムバトルが楽しかったファンタジーRPG。惜しむらくは、ヒロインの存在意義が弱かったことでしょうか。


Attention!!

この感想はゲームをクリアした人に向けて書かれています。
まだゲームをクリアしていない人が読むと、作品の面白さを損なうことがありますので、ご注意ください。

1. ゲームデザインについて

1.1. 充実したハーフリアルタイムSLG

ハーフリアルタイム制の戦闘パートは程良く緊張感をもって遊べました。魔法攻撃も敵味方を巻き込んで発動する本格的(現実的)な仕様で、手動操作では思ったように攻撃できずオートバトルに頼りきりになるプレイヤーも多いと思います。基本的にはオートバトルの方針を決定するだけで十分勝てます。しかしながら、最高難易度の「無理」モードともなると、中盤以降はオートモードに頼りすぎるとあっさり敗北します。適度に指示を出して勝利できるバランスとなっており、煩雑さを感じることなく楽しめました。

  • 緊張感

    特定ユニットだけは戦闘不能になった瞬間に敗北でも良かったように思います。しかしながら、2、3人欠けるとそのまま負けてしまうこともあるので、これで良いようにも思います。

1.2. プレイアビリティに不満あり

一方で、そのプレイアビリティ自体はあまり高くありません。味方に回復アイテムを使用するときにユニットが重なっていると対象を選択しづらいですし、障害物にユニットが引っ掛かることもたびたびありました。その他にも、仕様と割り切るしかない細かい不満が多数あります。

なお、(話題は少しずれますが)本作には兵站所というものがあり、ゲール族の民を傭兵として雇ってレベル上げと転職を繰り返すことで最強ユニットを作成出来ます。しかしながら、実のところ存在意義がとても希薄でした。同時に出撃できるユニットの上限が8名なので、名前のある主要キャラクター9名以外の汎用キャラクターを使う場面はほとんどありませんでした。

  • 細かい不満

    主な改善要求事項は以下の通り。

    • 魔法や技の効果を部隊編成画面で確認できない。
    • 任意の複数ユニットに対して同時に移動や攻撃の指示を出す手段がない。マウスによる範囲選択が必要。
    • 戦闘中にユニットを選択するとオートバトル中と表示されるが、その行動方針を確認できない。
    • 戦闘開始時にユニットを自動配置できない。おまけをクリアするためのレベル上げでは必須の機能である。
  • 汎用キャラクターを使う場面

    アルサルが単独行動をする「竜族の遺跡」戦くらいのものです。ただ、ここで汎用ユニットが登場するのはストーリー上不自然であるように感じます。


2. ストーリーおよびキャラクターについて

世界観としては、剣と魔法のファンタジー世界において、ローマ帝国に支配されようとするブリテン島を描いているイメージでしょうか。物語は「支配からの解放」から始まり、やがて「創造主への反抗」へとスケールが大きくなっていきます。

メインストーリーはアロウンとプィル(あるいはアルサル)との友情であり、女性ヒロインの活躍の場があまりありませんでした。えっちシーンもレーティングの要請で挿入されたものばかりで、存在意義が薄いものばかりでした。

  • ローマ帝国

    他にも「ケルト神話」や「アーサー王伝説」から固有名詞を多く借用しています。

  • 「創造主への反抗」

    同じくLeafの『うたわれるもの』と基本的な進行は変わりません。ただ、こちらは庶民(謳う者)を大切にしていましたが、本作では創造主や後の英雄(謳われる者)となる側の存在以外はほとんど描かれません。

  • 女性ヒロイン

    ヒロインごとの分岐がない一本道ことよりも、メインストーリーにほとんど関係していないことが問題です。

2.1. 分断された仲間を助けにいく場面が最高

本作のストーリーはRPGとして遊ぶには十分なシナリオだったと思います。序盤で拠点を手に入れて以降に中弛みも見られますが、中盤から終盤にかけてこの物語は大きな盛り上がりをみせます。アヴァロン防衛戦において、指揮を執るリアンノンや、タリエシンに助力を求めるアルサルには感動して泣いてしまいました。青銅の時代(過去編)においてプリムラを救い妖精王プィルと理想国家を目指す場面も良かったです。

  • 中弛み

    SLGを遊びたい者にとって、城内探索に意義を感じられるエピソードが少なかったことが原因です。もちろん、大いに笑ったエピソードがなかったとは言いません。

  • 理想国家を目指す

    過去編を是非ともRPG化して欲しいです。

2.2. ハッピーエンドはご愛敬

その一方で、いくらか勿体ないと思う事項も多かったです。

  • アヴァロン防衛戦以降、ガイウスのような親しみやすい敵役が存在しなかったこと
  • 後半に世界の核心を明かすADVパートを集中させたため、SLGをプレイしたい者にとっては若干退屈になること
  • 神から世界の創世を託された12精霊についての設定は良いが、まだレクトールを倒した(追い払った?)だけであり事態は解決していないこと

なお、おまけである「リーフの塔」は本編よりも圧倒的に難易度が高いです。主要キャラクターのレベルを最大まで上げ、ドロップアイテムの隠し武器を一通り揃えてなおギリギリの戦いを強いられるとは思っていませんでした。

  • 事態は解決していない

    なお、タリエシンが竜に乗って皆を助けにくるいいとこ取りの場面は予定調和のハッピーエンドであり、特に問題に感じていません。そうでなければ、むしろもっと前から味方キャラクターもあっさりに死ぬような戦記となっているべきです。

  • レベルを最大まで上げ

    ラスボスを倒したときのアロウンのレベルは46。これを99まで上げるのは数時間を要しました。スラティから「剣闘士のガレア兜」(@1,000,000 ELEM)を人数分購入するまでの金銭を貯めるのも一苦労でした。

2.3. 主人公達について

アロウン

彼の周囲には頭の弱いゲール族やヒロインが多くいるため、より格好良くまともな主人公に見えます。本作では多数の妻を持つ彼ですが、ゲール族にとっては絶対なる族長、妖精族にとってはかつての救世主であり、ヒロイン達から好かれるのは体質的なものとして深く考えない方が無難です。

アルサル

アルサルの成長を見届けるのがこの物語における主題の1つです。誠実なアルサルが部族の掟や誓約を守ろうとするのは、彼にとっては当然のことです。ですが、成長を印象づけるためかその価値観をアロウンやオガムの視点から否定的に描いているため、プレイヤーとしてはそんな彼を煩わしく感じてしまいます。

リアンノン

妻らしくあろうとするリアンノンがとても可愛かったです。メインヒロインとしての活躍は、冒頭でドルウクに生贄にされることと、アヴァロン防衛戦で指揮を執るくらいのものでした。プリムラの生まれ変わりとしてメインストーリーに十分関わりえたはずなので残念で仕方ありません。

  • ゲール族

    モルガンに寝込みを襲われ精液を絞られているアロウンが可愛いです。

  • ヒロイン達から好かれる

    『うたわれるもの』では、各ヒロインが主人公を愛する(精を欲しがる)過程や傍にいる理由が詳細に描かれていましたが、本作では好きになる過程が無視されています。

  • 成長

    プェルという語に小僧の意味を当てたり、アロウンに魔王の言い伝えを設定したり、白の精霊達の悪意が垣間見えます。

  • 可愛かった

    過去ログにボイスリピートがないことがとても残念でした。

  • 生贄にされる

    2周目を遊ぶと、このときのアロウンの心情が判ってきて面白いです。プィルの天上に対する反乱から1200年経っても、構図は変わっていないのです。

  • プリムラ

    プリムローズは「運命を開く」「神秘な心」などの花言葉を持っているそうです。prime(最初)という意味を持つ良い名前ではあるのですが、あまり可愛くないですよね。

  • メインストーリー

    タイトルの「Tears to Tiara」とは、ティアラを作ってあげたプリムラに対する悲しみの涙で、他の白い精霊に対する反旗の涙です。


3. 関連項目

  1. 関連作品の感想
  2. 外部記事

このレビューを読んで感想などございましたら、twitter外部サイトのコンテンツにリンクします。またはメールフォームなどから是非コメントしてください。みなさまからのご意見、ご感想をお待ちしています。

Web拍手を送ります。
(Web拍手です。短いコメントも送ることが出来ます。)

Send to Hatena

Last updated: 2013-07-27
First created: 2013-07-20