『永遠のアセリア -The Spirit of Eternity Sword-』感想

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タイトル 永遠のアセリア -The Spirit of Eternity Sword-外部サイトへリンクします。
ジャンル 異世界召喚シミュレーション
発売日 2003/11/28
永遠のアセリア Special Edition
評価点
77 / 100
最大瞬間風速 ED (80/100)
総プレイ時間 59.8時間
主人公 8/10
お気に入り オルファリル
ユーザビリティ 5/10 5/10
グラフィック 6/10 6/10
ムービー 7/10 7/10
主題歌 8/10 8/10
BGM 7/10 7/10
ストーリー 7/10 7/10
演出 8/10 8/10
感動 7/10 7/10
読後感 7/10 7/10

(評価点や作品に望むこと等については「レビューポリシー」をご参照ください。)


0. まずは一言
 独自言語まで用いた壮大な世界観と、3種のロールと4色のキャラクター特性を組み合わせた斬新な戦闘システムがとても魅力的でした。この「The Spirit of Eternity Sword」を、どこまでも続けていって欲しいものです。

Attention!!
この感想はゲームをクリアした人に向けて書かれています。
まだゲームをクリアしていない人が読むと、作品の面白さを損なうことがありますので、ご注意ください。

1. ゲームデザインについて
1.1. 確固たる世界観を持った、剣と魔法のファンタジー
 剣と魔法の世界「ファンタズマゴリア」に迷い込んでまず引き込まれるのは、言葉の壁の描写でしょう。独自言語「聖ヨト語」まで作り上げた制作スタッフの熱意には頭が下がります。ヒロイン達の声(CV)にも、その言葉に込められた感情が巧く乗せられていました。ここまで真剣に言語の壁を描いた作品は類を見ません。

 物語のスケールも天然資源(マナ)不足を契機とした国家間の戦争から第1位永遠神剣を巡るエターナル達の戦いへと展開し、その壮大な世界観に十分浸ることが出来ました。この「The Spirit of Eternity Sword」を、どこまでも続けていって欲しいものです。
  • ファンタズマゴリア
     Phantasmagoria: 幻想
1.2. 斬新な戦闘システム
 3種のロール(攻撃、防御、支援)と4色のキャラクター特性(赤、緑、青、黒)を組み合わせた戦闘システムが斬新でとても魅力的でした。攻撃時に各キャラクターが喋る横スクロール式の戦闘演出も可愛かったです。戦術よりも力押しでクリアできてしまう面も若干ありますが、ランクSSを取得するための規定ターン数を意識すると適度に戦略が要求されます。

 しかしながら、SLGパート全体で見ると惜しい点がいくつかありました。属性値を補正する建物を建設する機会はまずありません。また、レベルの引き継ぎやヒロイン専用ミッションはあるものの、やはり60時間のプレイとなると徐々に疲れてしまう部分もありました。最高で6周の周回プレイを前提とするならば、ルートごとによって進行ルートや敵国が変化しても良かったのではないかと思います。
  • とても魅力的
     これをさらに発展させた『輝光翼戦記 天空のユミナ』の戦闘システムはさらに魅力的です。
  • 各キャラクターが喋る
     ここで主人公に声を当てるならば、すべてフルボイスにしてくれればいいのにと思います。
1.3. 一癖あるグラフィックと秀逸な主題歌
 本作をプレイして初めて立ち絵グラフィックを見たときは、そのままソフトを終了するか迷う程の拒絶反応を感じました。しかしながら、慣れてくるとその表情の豊かさが分かってきますし、次第に気にならなくなっていました。1枚絵が綺麗であったことも功を奏したと思います。

 楽曲では「The Aselia」や「Brave movement」がお気に入りです。総プレイ時間に対して楽曲数は決して多いとは言えませんが、シーンに合わせて適切に選曲されていたと思います。また、哀愁と希望を併せ持ったエンディング主題歌『この大地の果てで』が素晴らしいテーマソングでした。これに合わせて流れるエンディングロール(エピローグ)は美しいラフ画に彩られ秀逸の出来でした。特に、最後に見られる笑顔の写真(Fin)は万感の想いで胸がいっぱいになります。

 なお、インターフェイスについては、スキップバックログの仕様に不満を感じる時が多々ありました。スキルの切り替えや部隊の移動についても煩わしく思う部分があります。
  • スキップ
     既読エピソードを全て飛ばしてしまうスキップでは、物語を簡単に振り返りながら進めるごとが出来ません。
  • バックログ
     SLGパートではバックログがないことがとても辛かったです。Ctrlキーで高速化しているため、しばしば飛ばしてしまい困り果てました。
  • 部隊の移動
     敵と遭遇しない限り指定した位置(拠点)まで進行してくれる委任モードが欲しいです。拠点まで回復のため往復するのが徐々に辛くなっていきます。

2. ストーリーおよびキャラクターについて
2.1. 等価交換、あるいは有限世界における二者択一
 序章の現代編は頭の痛くなる立ち絵と退屈な日常に、思わず投げ出しそうになりました。早くSLGで遊びたいという想いも、その苛立ちに拍車をかけていたと思います。一方で、戦闘が始まってからはそれなりに楽しめるようになりました。親友達との戦いやクェドギンやヨーティアを通じて世界の真実に迫って行くのは心動かされましたね。秋月との争いから永遠神剣を巡るエターナル達の戦いにまでスケールが拡大されていくのも良かったです。苦言を呈するならば、ヒロインごとにあまりシナリオに差異がないことでしょうか。

 本作は物語を通じて犠牲あるいは代価について描いています。義妹を助けるところに始まり、神剣の力を得るための心や、命を燃やすエーテル技術 などですね。その最上級のものが、人としての「存在」を捨てて「永遠」となるアセリア達。エターナルでしょう。自らの意思による選択の重さと責任を示していました。
  • 秋月
     なぜ主人公とここまで相容れないのかもっと説明が欲しいところです。過保護な兄の妹離れが1つの軸となっているため、この対立はより深く語るべきでしょう。
  • エーテル技術
     マナを巡る争いを終わらせ平和を得るためにエーテル技術を封印というのは面白いテーマだと思います。 
  • 存在を奪われ忘れ去られる
     「存在」を捨てて「永遠」となるアセリア達。 
2.2. ヒロイン達への雑感
 全ヒロインに好感を抱きましたので、彼女たちへのコメントを簡単に書き残します。
レスティーナ
 ヨフアル大好きな女王様。主人公と指切りしたりご休憩したりする彼女(レムリア)がとっても可愛かったです。運命の恋と強調される場面が多く、それ自体は実に結構なことなのでしょう。ただし、神剣によって定められた運命が話題になっている以上、少しもやもやした部分が残ります。
ウルカ
 ちょっと不器用なところが愛おしいです。彼女が初めて料理したときのオルファの顔が忘れられません。未来では最高のパートナー同士で活躍していそうで嬉しいです。
エスペリア
 冒頭の献身的な介護と言葉を覚えるイベントが印象的ですね。彼女みたいな魔女ならば魅入って何が悪いというものです。主人公と似た者同士の2人ですが、これからも支え合っていってください。
オルファリル
 初対面でパパと読んでみたり第2章で一緒にお風呂入ったりなど、衝撃的な場面が印象に残っています。ハクゥテの死から命の大切さを教えるエピソードは良かったです。「また遭えたら…オルファのことを女の子として見てね!」のシーンには感動しました。永遠の戦いの中で「ユートさん」と呼べる日が来るといいですね。この作品で1番好きなヒロインでした。
アセリア
 本作のメインヒロイン。極端に物静かだった彼女が徐々に心を形成していく物語でした。お母さんとなった彼女が大好きですし、ユーフィーも今後どんな活躍をするのか楽しみです。なお、小鳥の意外な良さに気付くためのお話でもありました。彼女は決してうるさいだけではなかったのですね。
  • 似た者同士
     疫病神体質でもありますね。 
2.3. 高嶺 佳織 / 義妹のために戦うことと
 義妹のために戦うこと。これが主人公の戦う目的であり生きる理由でした。4章での別れのシーンやエンディングの写真にこそ感動したものですが、彼女自身にはそれほど魅力を感じることはありませんでした。「義妹のために」が物語を通したドライビング・フォースの1つとして設定されていますが、それが成立するかはかなり危ういところにあると思います。

 ところで、彼女は物語の起点でありながら、何か代価を支払うことで望むものを手に入れる場面があったでしょうか。彼女の存在は「求め」の奇跡によって成立しているため、等価交換の理から外れてしまっているのでしょうか。あるいは、いつまでも一歩を踏み出せなかったために、義理の兄を永遠に永遠に失ってしまったと考えるべきでしょうか。
  • 魅力
     まだ眼鏡をかけていない方が可愛く見える気がいたします。
  • ドライビング・フォース
     driving force: 原動力、駆動力、推進力
  • 永遠に失ってしまった
     失ってしまったことすら忘れてしまうのなら、特に問題はないのかもしれません。ヒロインに義兄を譲ることを彼女の成長とみるかどうかという部分もあります。
2.4. 作品タイトルについて /『永遠のアセリア』
 それほど深い意味は込められていないようですが、響きが格好良くセンスが良いと思います。永遠のアセリアと聖賢者ユウトが続ける戦いの結末が、彼らにとって素晴らしいものであらんことを。
  • 永遠のアセリア
     Aselia The Eternal

3.1. 心にとどめておきたい言葉

真実は常に失望とともにある
ヨーティア・リカリオン

3.2. 関連項目
  1. 関連作品の感想
  2. 外部記事

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Last updated: 2012-09-08
First created: 2012-09-01